「木も見て森も見る!」オステオパシーは全身の関連性を追求し、機能障害を改善させる技術です。
皆さまこんにちは。 丸山オステオパシー治療院 院長の丸山稔一です。
今回は首の痛みについてお話しします。
40代女性
10年以上前から首の違和感を覚え一向に治らないと来院されました。
起きている間、常に違和感を覚えているとのこと。
少しはよくなってきたが完治の気配を感じないとのことでした。
首が痛くなったきっかけは10年前に棚の上にある物を取ろうとして腕を伸ばしたところ何かプチッを音がしたとのこと。
それを境に首がずっと痛いということです。
いつものように初診時に
じっくりお話しをお聞きしました。
若いころからスポーツが大好きでよく怪我をした。
又、元来あまり胃腸の調子が良くない。
一時仕事の関係で強いストレスを感じていた。
直接首に痛みとは関係はないが、いろいろ問題があったことが分かりました。
オステオパシーでは頸椎(首の骨)は体のいろいろな関節の緩衝の働きを持つと考えています。
例えば
腰椎や胸椎の動きが悪い場合は、
頸椎がその動きの悪さを助ける役割をもつと考えます。
又、頸椎の真ん中ぐらいから横隔神経という神経が出ていて
横隔膜の動きと感覚を支配します。
ですから横隔膜を挟み関係の深い肝臓・胃・胆のう・十二指腸の上部・膵臓・心臓
などと直接的な関係を持ちます。
又、心臓を保護している膜(心膜)や肺を保護いている膜(心膜)も直接に頸椎をつながりをもっています。
このように頸椎の痛みがある場合は広い範囲で診断をする必要があります。
10年以上いろいろな医療機関で見てもらっても
なかなか治らないということは
首以外の部分に疑いを持たなかったことが推測できます。
問診の後、全身のオステオパシー検査を行いました。
頸椎の動きを検査してみると、動きの悪さを感じません。
全身を調べた結果、
横隔膜を中心として肝臓・胃・十二指腸・そして横隔膜を胸骨を結び付けている胸骨心膜靭帯に機能障害があることが分かりました。
上部消化管に問題がある場合は
頭蓋の動きと非常に関係があります。
頭蓋の動きを詳細に調べると、
やはり側頭骨に動きの悪さを見つけました。
頭蓋の施術をしてから
胃・肝臓そして胸骨心膜靭帯の施術を行いました。
数回の治療でこの患者様の首の違和感はすっかりなくなりました。
棚の物を取ろうとして痛くなったのは、
それまで代償していた頸椎が
その動きをきっかけに代償の限界を
超えてしまったと推測できます。
それ以前からおそらく横隔膜周辺の機能障害があり、
常に横隔神経を通じて頸痛にストレスを与え続けてきたと思われます。
オステオパシーは全身の関連性を追求し、
機能障害を改善させる技術です。
もし長年、頸の不調でお悩みの方は一度オステオパシー治療を受けられることをお勧め
いたします。
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