50代女性【オステオパシー的ダイヤフラムという考え方】病院では更年期障害と診断!!顎・心臓のどきどき感・頭の締め付け感。同時多発機能障害??
こんにちは丸山オステオパシー治療院 院長の丸山稔一です。
今日は同時に多くの問題を抱えている患者様の例をお伝えします、実際このような患者様がとても多く少しでも参考になればとと思っています。
50代の女性
主訴は顎の痛み、半年前に一度ガクット音がしてから継続的に顎の違和感を感じ
ているとのこと。
オステオパシーは問診を大事にします。
病院のように検査機器や血液検査をしませんからより慎重にお話を伺います。
問診を進めていくと、数年前から更年期障害の症状があちこちにでているとのこと。
例えば吐き気がしばらく続いたり、
頭や首が外側からギューっと抑えられたような感じになったり。
又、少し緊張すると心臓がどきどきすることも多いそうです。
もちろん医学的検査は受けられています、頸のこわばりは整形外科。
心臓のどきどき感については循環器科で心電図をとっているが異常は認められない
とのこと。
頭の違和感、気持ちの悪さについては念のために脳の検査をしてみたが何ら問題ないと言われている。
病院では総合的な診断として更年期障害の症状といわれ
それ以来継続歴に漢方薬を飲んでいるそうです。 又病院から勧められたプラセンタも続けているとのことでした。
確かに更年期障害に対しては漢方は有効だと思います、決して否定されるものではありません。
しかし一向に症状が変わらないということは他に原因があると考えたほうが合理的です。
早速、オステオパシーの総合的な診断を始めました。
調べてみると本当にいろいろと悪い箇所が浮かびあがってきました、
顎関節、頭蓋骨の動き、胸郭、左腎臓の固着、骨盤など確かにこれだけ機能障害があればどこに症状が出てもおかしくないです。
オステオパシー診断で全身の複数の機能障害があった場合はどう関連があるかを論理的に考えていきます。
又、その結論に従いどこから施術を始めるかがとても重要です。
目についた悪さをやみくもに手当たり次第に施術することはしません。
原因を追究するやり方はいくつか方法がありますが、
今回気づいたのはほとんどの機能障害が左側に出ているということです。
これはオステオパシーではダイヤフラムという考え方で解明していきます。
体の中は圧力があります典型的には胸郭です、胸郭は肺を膨らませる為に息を吸うと
陰圧になり、吐くと陽圧になります。肺が自動的に膨らむことができないので陰圧と陽圧が交互になっています。
又胸郭とは違う独立した圧力を持つ組織が頭蓋と骨盤です。
特徴としてそれぞれの独立した圧力はどこかで機能障害があるとすべて同じ側に圧が高まるという生理的な現象ががあります。
今回の患者様は全ての左側の圧が高まっていました。
次に一番初めはどこかという検査をしてみると、頭蓋の内圧だとわかりました。
おおもとの原因が頭蓋骨をわかりましたから、内圧を高めていのは小脳テントというところです。
最初は頭蓋を全体的に動きの改善を行い、次に部分的に小脳テントが付着している所を重点的に施術しました。
再度全身のダイヤフラムを検査したところ左側に偏っていた圧力がほぼ均等になりました。
圧の均等化をはかった上で次に主訴である顎関節の施術をしました、悪かった場所が関節を固定している靭帯が4つあるうちの一つで茎突下顎靭帯と呼ばれる部分が大変問題を起こしていました。
顎関節の生理的特徴は体全体のバランスの悪さを顎関節が引き受けることにあります。
特に顎関節を施術する場合はこの原理を念頭に置かないとなかなか上手く行きません。
初回の治療はここまで行いました。
次に2週間後にもう一度来院していただき胸郭の治療
と全身の自律神経を統合する施術を行いました。
結果的には3回の施術で顎・心臓のどきどき感・頭の締め付け感は解決しました。
まだ若干首の問題は残っていますが、最初と比べれれば全然違うと喜んでおられました。
一般的に体のあちこちに症状が現れ病院では更年期障害又自律神経失調症と診断され、
漢方やサプリなどを飲んでもなかなか改善されない方は一度オステオパシーの施術をお勧めします、病院ではなかなか見つからない問題が見つかるかもしれません。