40代女性 首に激痛が!!原因は腱膜という薄い膜にあった。
頸(首)が痛いと訴えてこられる患者様が多く来院されます。先日、40代女性が8月から続いている頸の激痛と肩の痛みで来院されました。
ここで少し頸椎の特徴についてお話しします。背骨は頭のすぐ下から始まり、骨盤のすぐ上まで繋がています。上から頸椎・胸椎・腰椎と部分によって名前を変えていきます。
背骨は一本ですがその部分によって特徴があります。頸椎は頭をしっかりと支える土台となる部分ですから先ずは安定していることが必要です。
そして顔を上下、左右の回旋、左右の側屈ができるようにスムーズに動くことも必要です。
安定していなければならず、かつよく動かなければならない。なんとも健気なのが頸椎なのです。とてもよく動くがゆえに、背骨の他の部分の動きが悪くなるとそれを頸椎が補正していくことがとても多いのです。
例えば腰椎にとても大きな動きの悪さがあるとします、その動きの悪さを頸椎がカバーしさらにいつもより動かなければならなくなり、それが長く続くと今度は頸椎の動きが悪くなる。
この場合、腰椎の動きの悪さを一時病変。頸椎の悪さを二次病変と呼びます。頸椎の動きの悪さは二次病変であることがとても多いのです。ですから、頸が痛いからといっていきなり骨をポキッとやる治療は意味がありません。なぜなら一時病変を治療しない限り、また頸椎の動きが悪くなるからです。
今回の患者様もいつものようにオステオパシー検査で全身を調べました。頸椎については目立った問題はなく、むしろ胸椎の動きが気になりました。そして決定的なのは頸の回りの筋肉の上そして下に腱膜という薄い膜がついているのですが、その膜にいくつか問題がありました。
この腱膜の構造については少し複雑なので後日あらためて説明をいたします。この薄い膜が問題を起こすと、頸(首)の痛み、飲み込み(嚥下)、声が出ない(嗄声)などの症状に関わることが多いのです。
今回は胸椎の動きの悪さを取り除き、腱膜の緊張感を治療することで頸、肩の痛みは解消いたしました。
頸椎はポキッとしなくても頸の痛みが治りました。ご本人もオステオパシーは痛くない治療と大変喜んでいました。