尾てい骨が痛い(2)30年前にお尻を強打したのが原因か?
今回は50代半ば女性の尾てい骨痛の続きです。
この患者様の検査をしたところ骨盤の一部の仙骨の位置が著しくずれていました。
前回お話しした恥骨もずれていましたが仙骨のほうがより目立っていました。
痛いと言っている尾てい骨はこの仙骨の一番下についています。
尾てい骨は宙ぶらりんに浮いているものでなく骨盤の他のところと靭帯でくっついています。
この方は仙骨もずれ、また尾てい骨にくっつている靭帯も一方がとても硬くなって
硬い方に引っ張られ傾いていてました。
尾てい骨を直接触診するととても痛がりました。
単純にみれば仙骨の位置をもとに戻し、尾てい骨についていつ靭帯を緩めればば解決すると
思われるでしょう。
オステオパシーはつながりをとても大事にしますから全身を検査しました、
この患者様にも気になる尾てい骨の部分はもちろんその因果関係を
推測しながら全身を検査しました。
仙骨、尾てい骨以外で際立って問題は「頭」にありました、
脳を保護するために硬膜という硬い皮状のものが
脳とそれに続いている脊髄神経の外側を覆っています、
硬膜は一番上は脳ですが一番下はなんと脊髄神経を通じ骨盤の一部の
仙骨にくっついています。
この患者様はこの硬膜がとても硬くなっていました。
仙骨の位置、また動きは硬膜という皮によって直接脳とつながっています。
まずは仙骨と尾てい骨の治療をしてから一度痛みを確認したところ、
多少良くなってはいましたが完全ではありませんでした。
次に頭蓋骨から硬膜を緩める施術をしたところ明らかに尾てい骨の動きは良くなりました。
推測すると出産後に骨盤の位置が悪くなり尾てい骨にも影響がでた、そして
元来頭蓋骨の動きが良くなく、結びついている仙骨の動きを悪化させたと思われます。
幸いにもこの患者様は一回の施術でほぼ30年来の痛みがなくなりました。
それ以降は定期的にメンテナンスに来ていただいています。
オステオパシーは理論的に痛みを起こしている原因を追究していきます。
尾てい骨が痛いといっても原因は様々ですよく調べてみないとわかりません。
尾てい骨の痛みがなかなかとれない方、是非原因を調べにいらして下さい。