ゴルフのやり過ぎで肘が痛い(2)
次に肘の関節の動きを詳細に検査したところ、一見ほとんど問題がないように見えましたが
精度の高い検査をするといくつか肘の関節そのものにも問題があることが分かりました。
この問題に対してはファンクショナルテクニックという方法で治療します、
これは一度関節を開かせるように牽引してその状態を保ちながら関節が動きやすい方向にもっていく技術です、
非常に繊細な感覚が必要になりますので少し熟練性が必要になります。
オステオパシーの関節の動きに対する治療法はいくつもあります。
関節のどの部分が原因で機能障害があるのか?
その原因を特定してから技術を使い分けていきます。
このテクニックを終えた後改めて肘を動かしてもらうとほぼ痛みが取れていました。
この患者様のケースの場合では腹部・肋骨の治療だけではだめ、
又肘の治療だけでもうまくいかなかったでしょう。
オステオパシーはまず原因を探します、そして患者様との問診の中から得た情報をもとにして
治療を組み立てていきます。これがオーダーメード型治療といわれるゆえんです。
患者さま一人一人に合わせ対応していきます。
ゴルフのやり過ぎで肘が痛い(1)
60代男性の患者様が来院されました。
最近肘を曲げたり伸ばしたりすると電気が走るような痛みを感じると訴えられていました。
初診時にいろいろとお話を聞くとゴルフが趣味で毎週のようにラウンドしているとのこと。
最近はスイングにも支障が出ている様子。
日常生活にも、大好きな趣味にも痛みか伴いとてもつらいとおっしゃいっていました。
もちろん整形外科にも行かれレントゲン写真もとっていますが、特別問題なしといわれ、
電気治療と湿布薬を続けているが一向に良くならないとのことでした。
早速全身の診断からはじめどこに問題があるのかを推測をしながらくまなく調べました。
この患者様はしばらく前に右膝の痛みで来院されていたことがありましたので
早速膝の状態を確認いたしました。
膝の状態はもとには戻ってはおらず回復していましたが、
右の下肢をを上にたどっていくと、 右腹部に固着感があることを見つけました。
又さらにその上に続く部分を見ていくと右肋骨の柔軟性が失われていることもわかりました。
全身の診断の結果から右腹部から肋骨にかけての固着間が右肘の動きに負担をかけていると推測しました。
まずは上行結腸の治療からはじめました、上行結腸は後方は腹膜とくっついています、
また左側はトルト筋膜をいう部分に連結していますので両方ともに
本来のしなやかさを取り戻すようにしました。
次に肋骨の治療です、この患者様の場合は肋骨の骨そのものが硬くなる骨内病変という状態だったので、
骨そのものの柔軟性を回復させました。
この二つの治療を終えたところで肝心の肘の動くはどうなっているかを
調べるために患者様に肘を動かしてもらったところ
50%位は痛みは減っているとのことでした。 以降(2)に続きます。
40代女性 イライラが爆発しそう、もう会社に行けない。ストレスに対するオステオパシーの施術
イライラが爆発しそうなんですと駆け込んで来た方のお話です。従順で一生懸命な人・頼まれてしまうと嫌と言えない人、自分よりも誰かのために尽くしてしまう人、そのようなタイプの人は職場での責任が増えて処理しきれなくなりつぶれてしまうことが多いようです。
自分は診療内科医ではないので薬の処方はできません、しかしオステオパシーでは薬を使わずに心理的な問題にアプローチしていきます。もちろんイライラの原因は患者様が個人的に解決していかなければならないことですが、強いストレスが原因でおこるイライラした感情や頭痛などの症状はかなり抑えることには有効です。
先日40代女性の方が来院されました。来院して開口一番「もう私だめかもしれない」といわれました。お話しをうかがうと典型的にまじめで一生懸命、頼まれるといやといえない性格のようです。
通常業務でも手一杯なのに、新人教育を担当させられたり、ほかにも頼まれごとが多くて完全にオーバーフローしている様子です。さらに性格的に「助けてほしい」といえないタイプのようです。気持ちはあるのですが、もはや体がついていけなくなり、イライラ感と頭痛、そして不眠も入り始めているとのこと。
早速オステオパシー検査で全身の状態を調べました。胸郭が硬い、特に肋骨の下の横隔膜がガチンガチンに固くなっていました。さらに、頭蓋骨の動きがほとんど感じられないくらいに小さくなっていました。
フランスの学校の内臓の授業では当たり前のように習うのですが、心理的な影響を長く受けるとみぞおちの深ーい所にある腹腔神経節という部分が異常に興奮し、すぐ前にある横隔膜を緊張させます。横隔膜の極度な緊張は胸郭の動きを小さくさせ良い呼吸ができなくなります。
又強いストレスに長期間さらされると頭蓋骨の動きが弱まる傾向になります。
この患者様は典型的なタイプの様です。横隔膜と頭蓋骨の治療をじっくり時間をかけて行いました。横隔膜がゆるむことで腹腔神経節の興奮も鎮まり、自律神経の高まりも抑えられた様子。頭蓋が少し動き始めるころには蒼白だった顔色が変わり血色が良くなってくるのがわかりました。
一時間の施術を終え、症状はかなり回復した様子でした。念のため10日後にもう一度来院してもらい施術して完全に回復したとおっしゃっていました。
オステオパシーは整形外科の領域だげの治療ではありません、なんとなく調子が悪い、不定愁訴にもとても効果があります。このような症状に思い当たる方がいましたら、一度オステオパシーの施術をうけてみませんか。
女性の尿漏れの悩み。
女性の尿漏れの悩みは実はとても多いです。
一つには高齢になると多くなる傾向にあります。
もう一つは出産後に多くなります。
男性の前立腺の問題をテーマにしたブログの中でも書きましたが、
膀胱は骨盤の一部の恥骨の裏にあります、尿がたまれば膀胱は大きくなりますので
しっかりつなぎとめられています。
つなぎとめているものは恥骨膀胱靭帯です。
この恥骨膀胱靭帯がうまく機能するには、骨格が正常であることが必要です。
骨盤が本来の位置にきちんとあること、
又膀胱に近い内臓、例えば子宮・卵巣・結腸などが
正常な位置にあり機能が正常であることが必要です。
女性は妊娠2~3ケ月から産後2・3日にリラキシンというホルモンが分泌し体中の靭帯を緩めます、
骨盤の一部の恥骨は真ん中に恥骨結合という靭帯がついています、リラキシンの分泌
によって恥骨結合が緩み、恥骨が左右に広がり産道ができるのです。
出産が終わるとホルモン分泌もなくなり、恥骨は元の位置に戻ります。
ところが人によって元の位置に恥骨がキチンを戻らないときがあります。
したがって出産後に腰痛になったり、尿漏れになったりする方がいるのです。
最近、60代女性の治療をしていて、この患者様はめまいを主訴に来院をされて何度かにわたり治療をしています、そのなかで内臓の治療もしていました
その施術の途中で実は最近尿漏れが治ってきています、と話してくれました。
あまりひどくなかったのでいわなかったのだそうです。
内臓治療と骨盤の矯正をした結果、膀胱にもいい影響が出たのでしょう。
このように女性はなかなか言い出しづらい症状とは思いますが、
ぜひ積極的にオステオパシーの施術を受けてほしいと思います。
足首の捻挫の後遺症。いつまでも続く足首の違和感
足首を捻挫したことのある人はとても多いとおもいます。外傷の中でもとても多い部位です。軽症なものは2週間もすればすっかり治るでしょうが、重症な場合は要注意です。
足首の捻挫はほとんどが足首を内側に捻じる内反捻挫といわれるものです。足首を激しく内側に捻じると、外くるぶしの骨(腓骨といいます)も強く下に引っ張られます。その腓骨の一番上(腓骨頭といいます)には骨盤につながる筋肉が付着しています。
この筋肉は骨盤の後ろについていますので、骨盤を後ろに回旋させてしまいます。このように激しい捻挫は足首から膝関節・骨盤へストレートに衝撃がつながります。捻挫がきっかけで腰が痛くなることはこのようなことが理由です。
又もう一つ捻挫の後遺症を治す上で重要になるのは、足のすね(脛骨といいます)と先ほどの腓骨(外くるぶしの骨)の間に骨と骨をつなぐ骨間膜という薄い膜があります。実は捻挫をするとこの骨間膜が激しく下に引っ張られ、柔軟性を失います。
この柔軟性がまた足首を上下させるのに必要なのです。又この骨間膜の中を足首にとって必要な血管と神経が通過しています。捻挫は治ったといわれるが常に足首に違和感を感じている場合はこの骨間膜に問題が生じています。
オステオパシーでは捻挫の後遺症の治療には骨間膜は必ずチェックします。もちろん直接関連している膝関節・骨盤は見逃せません。いつまでも続く捻挫の後遺症は時間が解決するものではありません。
積極的に治療をしましょう。
尾てい骨が痛い(3)30年前にお尻を強打したのが原因か?
尾てい骨痛について紹介します。
今回は50代女性です、尾てい骨の痛みはすでに30年間も続いているそうです
20歳のとき何かのはずみでお尻を思いっきりぶつけたのが原因だそうです。
怪我をした当時は整形外科に行きレントゲン撮影し骨には異常がないといわれ、
様子を見てくださいと言われるだけで特になんの治療もいなかったとのこと。
それ以来ずっと痛いわけですからさぞかし悩まれたとお察しいたします。
今回は原因がはっきりしているかと思われましたが、痛みが30年も引かないと
いうのは違う原因も疑う必要がありそうです。
全身のオステオパシー検査をしてみると、右股関節、仙骨に強い機能障害
が見つかりました。
又尾てい骨についている何種類の靭帯が激しい固着をしていました。
又骨盤の下支えをしている骨盤隔膜もとても硬くなっています。
機能障害は骨盤に関連するものばかりです。
強い衝撃を受けたことにより関連する部位が機能障害を起こし、
又その機能障害が尾てい骨の位置をさらに悪くする悪循環があったのでしょう、
仙骨の位置と動きを回復させ、さらに骨盤隔膜を本来の柔軟性を取り戻す
ように施術し、最後に尾てい骨についている靭帯を緩めました。
30年も続いた痛みがほぼこの施術で回復しました。
骨折・捻挫などの外傷後、傷は治ったが何か違和感を感じるということは
ダメージの影響でほかの箇所が問題を起こしているということです。
このような状態の回復にはオステオパシーの施術が最適です。
優しくソフトな治療で回復できます。
50代男性 顎の噛み合わせ、痛みが18年ぶりに解消!顎関節症のオステオパシーアプローチ
顎関節症についてお話しします。以前から顎関節症の方は時々来院いていましたが、最近顎関節に問題を抱えた患者がとても増えています。
50代男性の患者が来院されました。常に顎に違和感を感じている、それも18年前からとのこと。かなり前に歯科医院でマウスピースを作り何とかしのいできましたが、最近になりさらに違和感が強くなってきたとのことです。
どのような違和感かとお聞きしたところ、常に下あごが後ろにあり食事をするときもかみ合わせがうまくいっていない気がするそうです。
以前のブログでもお話ししましたが、下あご(下顎骨といいます)も頭蓋骨の一部です。又、下顎骨は側頭骨という骨と関節を作り、それが顎関節と呼ばれています。顎を診るときはまず頭蓋骨の動きがどうなっているのかを必ず検査しなければなりません。
この患者様の頭蓋骨の動きもやはり、かなりバランスが悪くなっていました。特に左側頭骨の位置がとても問題でした。
まずは側頭骨をキチンと正常にしてから、次に体全体の骨格の構造の問題を取り除きました。最後は顎関節をささえている靭帯と、顎を動かすための筋肉の治療で終了です。
治療後には18年間悩んでいた顎の違和感が全く感じないと大変喜んでいました。
顎関節症は歯科医と共同で解決することもあります。歯が一部なくなっていたり、一部の歯が出っ張りすぎたしていることが原因の場合は歯科医の仕事になります。
又今回のケースのように、頭蓋骨・骨格構造・靭帯などの問題はオステオパスの仕事になります。
顎が気になり歯科医に行ったが、治らない場合はオステオパシーの領域の可能性が大きいです。長年顎で悩んでいる方、一度オステオパシーを受けてみませんか?懇切丁寧に状態を説明し、治癒に向かわせます。