高校一年男子【過敏性腸症候群】毎朝トイレから出られない!学校は遅刻!大好きな剣道もできない!
みなさまこんにちは ご無沙汰しております。
丸山オステオパシー治療院の院長 丸山稔一です。
今回は過敏性腸症候群の症例についてお話ししたいと思います。
私の友人の内科医から紹介を受けて高校1年生の男子が来院されました。
一年ほど前から寝起きにおなかが痛くなりトイレから出られなくなる、水の様な便が出てもすっきりしない。結局トイレに1時間も入ることになり、当然学校は毎日遅刻することになる、又状態がひどい日には休むこともしばしばということでした。高校2年に進級できるかどうかぎりぎりのラインということでご本人もお母様も大変深刻なご様子でした。
慢性的な腹痛とそれに伴う下痢の症状は医学的には
- 大腸がん
- 潰瘍性大腸炎
- グローン病
などが主に疑われます。
又これらの病気でない場合はバセドウ病や糖尿病あるいは肝臓の病気などが可能性があります。病院に行ってこれらの検査をした結果該当するものがない時は過敏性腸症候群をいう病名がつくことが多いようです。
過敏性腸症候群は医学的には
肉体的・精神的疲労 睡眠不足 不規則な生活習慣が原因と言われています。
この患者様も自分の友人の医院で受診し各種の検査をした結果、過敏性腸症候群と診断結果か出され、内服薬を処方されました。
又、しばらく薬を飲んでもあまり効果が出なかったので念のため大学病院に行ってあら
らめて検査を受けたものの同じ過敏性腸症候群をと診断されたそうです。
私の友人はオステオパシーに大変関心をもち、オステオパシー学校の同級生でもありますので、オステオパシー施術が適応すると判断され私の治療院に送られてきました。
いよいよオステオパシーの診断を開始していきました。
まずはゆっくり時間をかけてお話しを伺いました。
いつから痛くなったか、どのようにして痛むか、又過去に大きなけがをしたことがないかなど基本的な問診をしていくなかでいくつか気になる点がありました。
一つは
小学生の低学年からずっと剣道をしていること、実は高校進学も剣道で推薦を受けて入学をしていて、もちろん剣道部に所属していること、今でも剣道が大好きな事。
もう一つは
年頃ではあるがとてもニキビがひどいこと。
そこで私から「剣道で面を打たれると頭に響きますか」と質問したところ
大変響くし時々頭がクラクラすることがありますと言われました。
問診を終えて次にオステオパシー診断をしました。
まずは何年も打たれ続けられた頭蓋骨の動きをしらべてみるとほとんど動きが感じられませんでした。
次に現在問題を起こしている内臓の触診をしましたが、お腹全体が緊張していて手が中に入って行かないほどでした。背骨の動きも全体的に固いが特に背中の真ん中あたりが特に硬い部分がありました。
内臓を動かす神経は大きく分けて2種類あります。
一つは、ほぼ消化管全体を支配する迷走神経。もう一つは、骨盤内蔵器例えば膀胱や生殖器などを支配する骨盤からでる神経があります。
一方内臓の動きを抑制するのは交感神経で内臓に関するものは背骨の真中当たりから出ています。
この患者様については迷走神経が出ている頭蓋骨の後頭骨と側頭骨の間がとても硬い。
又、下腹神経か出る骨盤の一部の関節の動きがとても悪い。さらに内臓の動きを抑制する交感神経が出入りする部分の背骨もいとても動きが悪い。
推測すると
小さいころから剣道で頭打たれ続け頭蓋の動きがかなり悪くなった、結果として迷走神経の情報伝達はうまくいかなくなり、内臓の動きに影響を与えた。
又、剣道の練習中に押し倒され転倒することで骨盤の動きが悪くなり結果として下腹神経の情報伝達に問題が出た、それによって下腹部の内臓に影響を及ぼした。
これらのオステオパシー診断の結果から
まずは骨盤の動きの悪かった状態を改善させる施術を行い。次に本当に動きの悪かった頭蓋を詳細に調べ、頭の中心部で2つの骨がくっついてしまっていたところを(インパクションといいます)改善させました、さらに迷走神経の出入りする側頭骨と後頭骨の間が自由になるように改善しました。
この頭蓋骨と骨盤の施術をすることにより触ることのできなかった内臓がかなり緩み内臓の施術ができる様になりました。
大変重症な患者様でしたので一進一退を繰り返し8回ほと通院していただきましたが結果として腹痛を伴う下痢は完治しました。
又副次的にあれだけひどかったニキビが本当にきれいになりました、やはり腸の状態はとても皮膚に関係があるようです。
患者様は又剣道に打ち込めますと大変喜んでいました。
過敏性腸症候群と診断を受け、なおなかなか治らない方一度オステオパシーの施術
を受診させることをお勧めします。